アメリカの食事と食文化



~アメリカ料理の歴史~

 アメリカは、イギリスをはじめとするたくさんの国の移民たちの食文化と、アメリカ先住民の食文化が混ざり合いながら発達してきました。
アメリカには、牛肉やトウモロコシ、豆、果物、乳製品などの良質で豊富な食材をつかったダイナミックな料理が多くあります。
広い国土のわりに、人口が不足していたために早くから機械化がなされ、缶詰や加工食品、冷凍食品が発達しました。
これらを利用して合理的な食生活をするようになり、ハンバーガー、ホットドッグ、フライド・チキン、などの
軽食に食べられる料理が多く食べられるようになりました。
アメリカ料理というと、ステーキ、ハンバーガー、ホットドッグ、フライド・チキンなどを思い浮かべますが、各地にもそれぞれの郷土料理があります。

・ボストンには、ベークド・ビーンズ(ポーク・ビーンズ。これは、インゲンマメの豚肉かベーコン、野菜を煮てトマト・ケチャップで味付けしたもの)や、
インディアン・プディング(トウモロコシの粉にショウガやシナモンを混ぜて焼いたもの)、カキ料理、アサリをつかったスープのクラムチャウダーなどの伝統ある料理があります。
ベークド・ビーンズ

 

←ベークド・ビーンズ





 ・中西部は、ドイツ、北欧からの移民が多く、スウェーデンのコーヒーブレッドやドイツのジャガイモ料理などがつくられています。

・南東部は、トウモロコシを原料としたバーボン・ウィスキーが作られています。フライドチキンの本場でもあります。

・南西部の砂漠の多い貧しい土地では、先住民が多く住み、トウモロコシやカボチャ、干し肉などの食物を常食としていました。

・西海岸では、気候温暖で農作物・海の幸に恵まれています。

~現在のアメリカの食事~

 多民族なだけあってなんでもあります。アメリカ人の好きなものといえばこってり系、つまり肉製品、バター・チーズなどの乳製品で、
これらは日常の食生活に欠かせません。主食はおもに、パンやシリアルで肉が中心の料理が多いようです。
一般的なのはやはりサンドイッチやピザ、パスタ、サラダ、
ハンバーガー、メキシカンといったところです。

肉料理 

 アメリカの家庭での食事は、朝はシリアル、パンに紅茶やコーヒーといった軽いもので、
昼食はハンバーガーやピザ、タコスといったものがポピュラーです。
夜になると、チキンやステーキなどの肉類を食べるようです。
アメリカの料理で最も多いのは肉料理で、普通の家庭でも厚いステーキを食べるそうです。    

 


ボリュームたっぷり
 
 
アメリカの食文化といえばやはりファーストフードです。
店の数と種類はとても多く、日本のハンバーガーに比べて、ボリュームが違います。
アメリカ人の食べる量は半端ではありません。さらに彼らは、ポテトチップスやクッキー、ドーナツ等をコーラで流し込んで食べます。コーラ・ペプシはもはやアメリカの食生活の必需品と言っても過言ではないようです。

 





~アメリカの食事の特徴~

(1)量が多い!: 上の写真からもわかるように、想像を絶する量です。それを彼らは平らげ、その他に巨大なデザートまでも追加して食べます。              
(2)甘い: 甘い食べ物の甘さはこれもまた半端じゃありません。マフィンやドーナツなどは食べると溶けきっていない砂糖がじゃりっと音をたてたりします。極めつけは、甘いアイスクリームにさらに甘いシロップをかけて食べます。

(3)野菜が少ない: 日本でも外食すると野菜は不足しますが、アメリカでは不足の程度が違います。下手するとハンバーガーに入っていたピクルスが唯一の野菜ということにもなりかねません。そして、彼らは、この野菜不足をビタミン剤を飲むことでカバーしようとするようです。

(4)冷凍食品が充実: アメリカでは料理なんてしない人が少なくありません。料理は嫌だけど、毎日外食というわけにはいかない、なるべく手間ひまかけずに食事を作りたいということでつくられたのが、冷凍食品。スープ、ピザ、パスタ、メインディッシュ、そしてデザートなど、ありとあらゆるものが冷凍食品になっています。

 以上のような特徴から、アメリカには、肥満者が増加していきました。このことから、
人々の間で自分の身体に非常に気を使うようになり、乳製品を食べる時は低脂肪のバターや牛乳(乳製品)
にするというような人が増えているそうです。しかしそれだけではなく、今アメリカでは日本型の食生活を見習おうという運動が
なされているようです。アメリカで日本型の食事がどんどん取り入れられてきている反面、日本では古来の食事よりもアメリカ型の食事が、
主流になりつつあります。
もっと日本型の食事を大事にする必要があるのではないでしょうか。